医療法人晃仁会 フクロ歯科医院

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顎関節症(がくかんせつしょう)とは

顎関節症(がくかんせつしょう)とは

顎(あご)は、複雑な形状と多くの機能を持っています。食事や会話の際には、筋肉や関節、神経が連動して機能しますが、そのような顎の周辺部分に痛みが出たり動かしにくくなったりするのが顎関節症です。

症状

症状としては、口を開け閉めするときに「カクン」というような音がする口を開こうとすると顎関節や顎を動かす筋肉が痛む大きく口を開けられないといったものが挙げられます。

患者は意外と多い?

音が出る症状に限れば、少なくとも人口の20%近くの人は顎関節症を持つとされています。また、痛みや口の開けにくさで実際に治療が必要になる人は、症状がある人の中のおよそ5%程度と推定されています。

顎関節症の原因

少し前までは、噛み合わせの悪さが原因だと考えられてきました。しかし、近年の研究で、噛み合わせは原因の一つに過ぎず、実際には以下のような多くの要因が絡んでいることが分かってきました。

・噛み合わせの悪さ(咬合要因:こうごうよういん)

・顎関節や顎の筋肉の弱さ(解剖要員:かいぼうよういん)

・緊張や不安、気分の落ち込みの継続(精神的要因)

・噛み違いや打撲、転倒(外傷要因:がいしょうよういん)

これ以外に、日常生活の癖(くせ)が顎関節症につながることもあります。

治療方法

⻭科医院では、一般的にはスプリント(マウスピース)による治療を行います。これは、⻭に被せるプラスチックの装置です。睡眠中に装着(そうちゃく)することで、夜間の無意識の噛み込みによる顎関節や筋肉への負担を軽減します。(マウスピースの写真)また、ご自身によるセルフケアも重要です。例えば、以下のようなマッサージです。ただし、力を入れすぎると逆効果になるので注意してください。

咬筋(こうきん)のマッサージ

咬筋(軽く噛んだ時に顎の付け根付近で動く筋肉)を親指の付け根や2、3本の指先で円を描くように10秒弱マッサージします。

側頭筋(そくとうきん)のマッサージ

側頭筋(軽く噛んだときにこめかみ付近で動く筋肉)を、咬筋と同様の方法でマッサージします。無意識に行っている習慣や姿勢が症状を起こしやすくしたり、⻑引かせたりするケースがしばしば見られます。そのような問題を自分で見つけることは簡単ではありませんが、悪い癖に気付くことは、完治するために重要です。

お口の健康に役立つ食べ物

「ちゃんと歯みがきしないと、虫歯になっちゃうよ!」と言われても、歯みがきしたくないなあ…なんて、思ってませんか?
食べた後にちゃーんと歯みがきしないと、虫歯はもちろん、「歯周病(ししゅうびょう)」になって美味しいものが食べられなくなってしまうかもしれませんよ!?
よく噛んで食べる事の大切さ
健康な歯を守るためには、食べた後の歯みがきや、定期的に歯医者さんで診察してもらうことが大切。
加えて、日ごろの生活でもできることはあります。
それは「よく噛んで食べる」こと。
「噛むなんていつもしてるよ!」と思うかもしれませんが、本当に「よく噛んで」食べているかどうかはわかりません。
よく噛んで食べるとだ液が分泌(ぶんぴつ)され、食べ物のカスや細菌を洗い流してくれます。
例えば、根菜類(大根、ごぼう、にんじんなど)は、歯ごたえがあるのでGOOD。
また、おやつに煎った大豆やナッツ類を食べるのもオススメです。
見逃せない「歯ぐき」の健康
歯を大切にするのはもちろんのこと、歯の土台になっている「歯ぐき」も大切にしたいですね。
歯ぐきの健康に役立つ食べ物ってどんなものがあるのでしょう?
歯ぐきの健康に役立つ栄養素は「ビタミンC、E、B2」「食物繊維」など。
ビタミン類は血流をよくすると同時に、粘膜(ねんまく)の修復にも役立ちます。
また、食物繊維が豊富な食材は、噛むことで歯ぐきのケアにつながるのだとか。
「歯ぐきの健康に役立つ食べ物」は、具体的にはリンゴやカリフラワー、ブロッコリー、小松菜などがあげられます。
こうした食べ物を意識的に食べて、歯と歯ぐきの健康を守り、いつまでも美味しいものを食べ続けていきたいですよね!

乳歯が抜けたらどうしますか?

皆さんは、乳⻭が抜けた後どうしていましたか?自分の子どもの乳⻭が抜けたらどうしますか?

日本には、乳⻭が抜けると「健やかな身体に育つように」という願いを込めて、

・上の⻭なら床下

・下の⻭なら屋根の上

に向かって投げるという習慣があります。

また、その時に「ネズミの⻭のように強くなーれ!」や「ネズミの⻭と変ーわれ!」というような願いを掛ける人も多いのではないでしょうか。

これは、ネズミの⻭が後から伸び続けることにあやかってのことだと言われています。

海外では⻭がお金に変わる??

実は、世界各地にも同じようなおまじないがあります。

例えば、アメリカやイギリスの子どもたちは、乳⻭が抜けるとその乳⻭を枕の下に置いておきます。そうすると、寝ている間に枕元に⻭の妖精(トゥースフェアリー)が現れ、乳⻭をお金(5ドルくらい)と交換してくれるそうです。

また、フランスやスペインでは、トゥースフェアリーの代わりに子ネズミが、同様にコインと交換してくれます。⻭が強いネズミにあやかっているようです。

乳⻭が抜けるときは痛みを伴うため、嫌がる子どもが多いですが、お小遣いがもらえるとなったら我慢できますね。

歯みがきの歴史を知ろう!

キチンと歯みがきしないと、【虫歯や歯周病になってしまう】というのは皆さんご存じと思います。
でも、「そもそも、人っていつ頃から歯みがきしてたの?」って、知っていますか?
今回は、人類の歯みがきの歴史をご紹介していきましょう。
人類と歯痛の付き合いはいつ頃から?
そもそも、人はいつ頃から歯痛に苦しんできたのでしょうか?
例えば虫歯は、約30万年前のものと思われるザンビアで発見されたカブエ人の化石人骨よりすでに発見されています。
どうやら歯周病も、同じ頃からあったようです。
ヨーロッパを中心に分布していたネアンデルタール人の化石から歯周病らしき痕が発見されています。
実は、太古の人類には歯周病が多く見受けられ、発生率は現代人より多いかも?と言われています。
大昔の歯科治療!?
現代のような歯ブラシではありませんが、楊枝(ようじ)を使っていた痕跡は世界各地で発見されています。
また、歯にタテの溝が刻み込まれているケースが多くあり、これは、食べかすをかき出していただけではなく、歯が痛いところを硬くとがったものでこすった痕だと考えられています。
2013年、スペインの研究者がバレンシアの遺跡から出土した5万~15万年前のネアンデルタール人の歯を研究し、「歯肉炎の痛みを和らげるために、ある種の植物の楊枝を使っていた」という論文を発表しました。
これは、歯の治療の一種とも言えますよね。
人間は古くから虫歯や歯の痛みと戦ってきたようです。
予防の技術が発達した現代に生きる私たちは歯が痛くなる前に、ちゃんと歯みがきで予防したいですね。

二次カリエスについて

「⼆次カリエス」というのは聞き慣れない⾔葉かもしれません。しかし、実はかなり⾝近なものです。詳しく⾒ていきましょう。

まず、「カリエス(caries)」は専⾨⽤語で⾍⻭のことです。⻭科検診のときに、⾍⻭だと「C」と⾔われますよね。それは、カリエスの頭⽂字をとっているのです。そして「⼆次カリエス」は、⼀度治療した⾍⻭の周囲に再びできてしまった⾍⻭、という意味になります。

 

銀⻭の下が痛む場合は要注意

⾍⻭を治療してしばらくした後、被せた銀⻭の下が痛くなってきた経験はないでしょうか。

これは⼆次カリエスの典型的な症状です。⼆次カリエスを放置すると、抜⻭が必要になることもあるので、注意が必要です。

 

なぜ治療した⻭が⾍⻭になるのか

原因1. 銀⻭が錆びる

⼝の中は、酸性やアルカリ性の変化や温度の変化が激しい、過酷な環境です。そのため銀⻭が錆びてしまうことは珍しくありません。錆びて劣化した銀⻭と⻭の隙間に、⾍⻭が発⽣します。錆びることへの対策として、⾦⻭を使⽤したり、⾦属以外の素材を使⽤する⽅法もあります。

原因2. 接着剤のセメントが溶ける

銀⻭はセメントによって⻭に固定されますが、それが溶けて隙間ができ、⾍⻭になることもあります。

原因3. ⻭磨きが不⼗分

錆びたりセメントが溶けたりしなくても、銀⻭と⻭の境⽬にはわずかな隙間があります。⻭のケアが不⼗分だと、そこからも⾍⻭が発⽣します。特に隣り合う⻭との隙間には⻭垢が溜まりやすいので、⻭ブラシや⻭間ブラシを駆使して丁寧にケアするようにしましょう。

 

銀⻭が痛くなる他の原因

⾍⻭でなくても、銀⻭が痛むことはあります。例えば以下のような場合です。

・⻭ぎしりをする

・噛み合わせが強い

・装着した銀⻭の⾼さが合っていない

この場合も、⻭に負担がかかっていることに間違いはないので、⼀度⻭科医に相談してみると良いでしょう。

「歯の神様」がいるって、知ってましたか?

歯の痛みを「神頼み」で治す!?
前に『トイレの神様』という歌が流行りましたが、実は「歯の神様」もいるということ知ってましたか?
江戸の中期~後期にかけて、「歯の神様」信仰が始まったと言われています。
当時はお殿様や大商人など、一部の権力者だけが「口中医」、今でいう歯医者さんに診てもらえました。
それ以外の方々は、歯が痛くなったりしても、お医者さんの診察を受けられなかったのです。
では、どうしていたのか。一般庶民たちは「神頼み」や「おまじない」をするしかなかったのです。
現在でも、歯が抜けたとき「上の歯が抜けたら縁の下へ、下の歯が抜けたら屋根の上に投げる」という風習があります。
こうした「おまじない」で、歯が丈夫になるように、歯痛にならないようにと願っていたのです。
日本全国に「白山神社」と呼ばれる神社があります。
この白山神社の中には、「歯の神様」として信仰を集める神社もたくさんあります。
一説によると、歯が悪くなると口が臭くなる。
つまり、歯が臭い→「はくさ」、そこから、白山神社が歯の神様になった、というダジャレのような説も。
当時の方々にとって歯の痛みはかなり深刻だったようで、「私が死んだ後に墓参りした者は、歯痛から助ける」という遺言を残した人までいたようです。
当時の方々の苦労が、伝わってきますね。

口腔乾燥症について

口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)とは

口腔乾燥症とは、唾液(だえき)の分泌が低下して、口が乾いた状態のことをさします。口が乾いていると感じるだけでも、広い意味では口腔乾燥症です。
通常、唾液腺からは1日あたり平均約1~1.5リットル分泌(ぶんぴつ)されます。しかし、さまざまな原因から唾液の分泌が減り、口の中の水分が減少すると、口腔乾燥症となります。

口の中が乾燥していると・・・

口腔乾燥症によって口の中が乾燥すると、自浄(じじょう)作用や抗菌(こうきん)作用が弱まるため、むし歯や歯周病にかかりやすくなったり、感染症を起こしやすくなったりします。
特にカビの一種であるカンジダ菌が増殖すると、口の中に白斑(はくはん:皮膚の一部が白くなること)が出現する場合があります。
同じ理由から、口の中がねばついたり、口臭が強くなったりもします。
他にも、
・水分の少ない食べ物を飲み込みにくくなる
・声を出しにくくなる
・味を感じにくくなる
・舌がひび割れてくる
など日常生活に支障を来す症状も現れます。

原因

口腔乾燥症の原因は様々です。

〇 疾患によるもの

・糖尿病
・甲状腺(こうじょうせん)機能障害
・シェーグレン症候群(唾液腺、涙腺などの外分泌腺(がいぶんぴせん)が萎縮(いしゅく)し、口と目が乾燥する自己免疫疾患*)

*自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)

体内に入ってきた悪い物を攻撃するはずの免疫機能が、無害な自分自身の細胞や組織を攻撃してしまい、病気を発症させること。

〇 薬の副作用によるもの

・抗うつ剤
・鎮痛剤
・抗パーキンソン剤
・降圧剤

〇 脱水
〇 口呼吸
〇 ストレスによるもの(自律神経の乱れ)
〇 年齢によるもの

などがあり、これらが複合的に関与している場合もあります。

治療方法

 

1. 生活習慣の改善

口の乾燥が気になる場合、
・口呼吸を直す
・こまめに水分補給をする
・ストレスを軽減する
・よく噛む
など生活習慣を改善することで口腔乾燥の症状が軽くなる場合があります。

2. 疾患の治療

疾患が原因である場合は、疾患自体の治療を進めることが大切です。

3. 対症療法

薬の副作用が原因である場合、可能であれば薬の変更を行うことを検討しますが、できない場合も多く、対症療法が中心となります。
対症療法には、
・保湿成分の含まれたスプレーを口腔内に噴霧する
・保湿ジェルを塗布する
等があります。
粘膜(ねんまく)に炎症が起きている場合は、消炎や殺菌作用のある含嗽剤(がんそうざい:うがい薬)が処方されることもあります。
※ シェーグレン症候群及び放射線による口腔乾燥症の場合に限り、人工唾液や唾液分泌を促進する薬剤に保険が適応されます

4. その他

継続的に漢方薬を服用する方法などもあります。