歯科衛生士ブログ
虫歯の自覚症状について
虫歯になるとどんな症状があるの?
虫歯は、慢性的に痛みがあることが多いのが特徴です。一日中痛みが続く、歯を叩くと頭の方まで響く感じがある、甘いものや熱いものが歯にしみるなどが挙げられます。
歯がしみたら絶対虫歯なの?
歯がしみた場合に、一番に虫歯を疑う方が多いかと思います。しかし、しみる理由は他に、知覚過敏や歯周病の場合もあります。虫歯との違いは、しみ方です。しみる時間が一時的、一瞬だけでキーンとするような一過性の痛みのときは知覚過敏や歯周病を疑いましょう。知覚過敏は健康的な歯にも起こります。季節の変わり目や温度差によってもしみることがあるので、どれくらいしみる時間が続いたかに注意して生活しましょう。逆に、上記でも説明したように慢性的にしみるのであれば虫歯の可能性が高いです。
虫歯の進行度合いと痛みの種類
C1:エナメル質の虫歯
冷たいものがしみることが特徴です。
C2:象牙質(ぞうげしつ)の虫歯
冷たいものや甘いものがしみて、時々痛みを感じます。
C3:歯髄(しずい)まで達した虫歯
熱いものがしみることが特徴です。
C4:歯根まで達した虫歯
神経まで虫歯になっているため、痛みなどを察知する神経が反応せず、逆に痛みを感じない場合が多いです。
大豆を食べて歯を強くしよう!
今回は歯と大豆の関係に注目してみたいと思います。
大豆は歯の健康に必要な栄養素が豊富
大豆には栄養素が豊富に含まれています。そして、特にカルシウム、タンパク質、マグネシウムの3つの栄養素が歯の健康に必要とされています。それはなぜでしょうか。
カルシウムとタンパク質
骨や歯は、タンパク質のひとつであるコラーゲンが土台となり、その隙間をカルシウムが埋めるように形成されます。つまりこれらは歯の主成分であり、とても重要です。
マグネシウム
カルシウムは、マグネシウムとのバランスが大切だと言われています。そのため、マグネシウムもしっかり摂取しなければなりません。
歯の話に限らず、大豆は栄養の豊富な食物です。節分の日には、年齢分しっかり食べておくと良いかもしれません。
親知らずは知恵の証!?
親知らずの由来
『日本国語大辞典 第二版(小学館)』において「親不知歯」は、「20〜25歳ごろに生えるので、昔は親と死別していることが多いところから、この名がある」と説明されています。
つまり、文字通り「親が知らない(見ない)歯 = 親知らず」なのですね。
英語では”wisdom tooth”
親知らずは英語で”wisdom tooth”と言います。”wisdom”は「知恵」という意味で、知恵のつく年頃に生えてくることに由来します。
日本でも、時に「智歯」や「知恵歯」と呼ばれるそうです。
親知らずについて
親知らず(親不知)とは、ヒトの歯の種類のひとつで、前歯から数えて8番目の位置にあるものです。多くの場合、10代後半から20代前半の時期に生えてきます。必ず上下左右の4本が揃うわけではなく、4人に1人程度の割合でまったく生えてこない人もいるそうです。
なぜ親知らずを抜くのか
現代人は顎が小さいので、スペースが足りないために親知らずが横向きに生えたり、傾いて生えたりしてしまうことがあります。これにより引き起こる以下のようなトラブルを防ぐため、親知らずを抜くことが多いです。
①虫歯や歯周病になる
親知らずは部分的に歯肉に埋まっている場合があります。また、歯ブラシが届きにくくいです。そのため不潔な状態になりやすく、虫歯や歯周病に繋がります。
②嚢胞(のうほう)ができる
レントゲンで、親知らずの周りに袋状の影が見えることがあります。これは嚢胞と呼ばれ、化膿や腫れの原因となります。
③ 周囲の歯に影響を及ぼす
親知らずの生える向きが悪いと、手前の歯を強い力で押し続け、かみ合わせが悪くなる等の悪影響を与えます。
親知らずを残しておくメリット
親知らずは歯のトラブルの原因となりますが、生えてきたからといってむやみに抜いてしまうのは、良い考えではありません。
親知らずを残しておくと、以下のようなメリットがあります。
・どこかの歯を抜歯した時に、親知らずを移植することができる
・手前の歯を入れ歯やインプラントにする際の支え(ブリッジ)にすることができる
親知らずが生えてきたら、いつでもお気軽にご相談ください。
抜けた歯を牛乳につけるのはなぜ?
何かのトラブルで、歯が抜け落ちてしまったとき「牛乳に浸ける」と良いという話を聞いたことがあるかと思います。なんだか突拍子もない話のように聞こえますが、そこにはきちんとした理由があるのです。
牛乳はお口の中の環境に近い?
抜け落ちた歯には「歯根膜(しこんまく)」という大切な組織が付着しています。この組織を生きた状態に保てれば、歯を元に戻せる可能性も高まるのです。そこで保存液として適しているのが牛乳なのです。牛乳はお口の中の環境に近く、手に入りやすいものであることから、歯が抜けた際には「牛乳に浸ける」という話が広まっているのです。
お口の中に入れておくのもアリ?
牛乳などの保存液が手に入らないときは、抜けた歯をお口の中にふくんでおきましょう。歯はそもそもお口の中に存在しているものなので、保存する場所としても適しているのです。もちろん、アメをなめまわすようにお口の中でゴロゴロいじくってはいけません。唇と前歯の間にある「口腔前庭(こうくうぜんてい)」と呼ばれる場所に入れておくのが一番です。そのうえで、歯医者さんに診てもらいましょう。
歯が抜けたら少しでも早く歯科を受診することが大切です!
詰め物・被せ物について
歯科治療の一環として、歯に詰め物や被せ物をすることがあります。わかりやすい例として「銀歯」が挙げられますが、他にはどんな種類があるのでしょうか。
進行度の浅い虫歯には「詰め物」
進行度が浅く比較的小さな虫歯の場合、虫歯の部分を削り、そこに詰め物をします。詰め物には主に2種類の方法があります。
1. コンポジットレジン充填
削った部分にコンポジットレジンと呼ばれる樹脂を充填します。この樹脂は自然の歯に近い色なので、治療の跡が目立ちにくいです。 また、型を取らずに直接充填するため、歯を削る量が少なく済み、来院回数も少ないです。 しかし、強度が弱いために欠けたり、経年劣化により変色したりすることがあります。
2. インレー
削った部分の型を取り、その型に合わせて作った詰め物をはめこみます。金属やセラミックといった素材を使用します。 金属は広く使われていて強度も強いですが、目立ちやすい、熱に敏感といった欠点があります。セラミックは白色で目立ちにくく、強度も強いですが、高価です。セラミックに少量のレジンを混ぜた、ハイブリッドと呼ばれるものもあります。
進行度の深い虫歯には「被せ物」
虫歯が詰め物では修復できない大きさ、深さまで進行してしまった場合は、虫歯を削り、その上から被せ物をします。
クラウン
一般的に使用されるのはクラウンという被せ物です。これは通常、歯根膜(しこんまく)または歯周靭帯と呼ばれる組織によって支えられます。金属のものや目立ちにくいセラミックのもの、金属の前面のみをレジンやセラミックで覆ったものと様々な素材があります。 また、虫歯の進行度によって、歯の全体を覆う場合や一部を覆う場合、土台まで人工のものとする場合があります。
このように、詰め物・被せ物に限っても様々な方法が存在します。虫歯の進行度や審美性、保険適用の有無などの条件によって適切な治療法が異なりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
歯の寿命ってどのくらい?
どんなものにも寿命があるように、私たちの歯にもそれぞれ平均寿命というものがあります。
犬歯の寿命は66年!?
私たちの歯で最も寿命が長いのは下の「犬歯(けんし)」で66年となっています。最も寿命が短い歯は、下の「第二大臼歯」で50年となっています。同じ永久歯でも、これだけ寿命に違いがあるのに驚かされることかと思います。でも、そもそもこの寿命は長いの?それとも短いの?
日本人の平均寿命は80歳以上!
日本人の平均寿命は「男性81歳」「女性87歳」となっており、いずれも80歳を超えています。つまり、寿命が最も長い犬歯でさえも一生涯、その役割を果たし続けることは難しいのです。歯が寿命を終えたあとはどうするかというと、入れ歯や義歯によってその役割を補ってもらうほかありません。とは言っても、これはあくまで平均の数字なので、頑張ってケアすれば80歳になっても20本以上の健康な歯を維持することは可能です。
むし歯や歯周病を予防して、歯の寿命を少しでも延ばしていきましょう!