歯科衛生士ブログ
粘液のう胞について
いつの間にかできている口内炎、小さいのに痛くて嫌ですよね。
でも、たまに、ぷっくりふくれているのに痛みがない、そんなことはないでしょうか?
もしかするとそれは口内炎ではなく、粘液のう胞(ねんえきのうほう)かもしれません。
今回は、粘液のう胞についてお話します。
粘液のう胞とは
粘液のう胞とは、簡単に言うと、粘膜(ねんまく)の下に唾液(だえき)が溜まって袋状になったできもののことです。もう少し詳しく見ていきましょう。
唾液を分泌(ぶんぴつ)する唾液腺
唾液は、唾液腺という無数の管を通って口の中にでてきます。特に耳の下、顎の下、舌の下辺りに大きな唾液腺が集まっており、
「耳下腺」
「顎下腺」
「舌下腺」
と呼ばれます。これが3大唾液腺です。
また、小唾液腺という小さな唾液腺が口内全体に広がっています。粘液のう胞に関わるのは、この小唾液腺です。
詰まりの原因
唾液が詰まって粘液のう胞ができてしまうのは、多くの場合、唾液腺への傷が原因です。唾液腺が傷つくと、そこから唾液が漏れ出して行き場を失います。それが溜まって袋状になったものが、粘液のう胞なのです。
例えば、食事中に唇を噛んでしまったり、硬い食べ物が当たったりしたときに発生します。また、⻭ブラシによって傷つくこともよくあるので、⻭を磨くときの力の入れすぎにも注意が必要です。
症状
多くの場合、痛みはありませんぷくっとしたできものができます下唇や舌の裏にできやすいです(舌の先にできたものは、ブランディンヌーンのう胞と呼ばれます)
治療法
通常は破れたり、時間が経ったりすることで自然に治癒(ちゆ)します。いじってしまうと治りにくくなるかもしれないので、意識しすぎないようにしましょう。再発を繰り返すときは、手術により一部の唾液腺を取り除いてしまう場合もあります。