歯科衛生士ブログ
実は「あの人」も、歯が悪かった?
苦しみから生まれた作品も
虫歯や歯周病で歯が痛い…というのは、現代人ならではの悩みではなく、昔の人たちも、同じように歯の痛みで苦しんでいたようです。
「奥の細道」で有名な松尾芭蕉は、41〜44歳頃にこんな作品を残しています。
「むすびより はや歯にひびく 清水かな」
水を手ですくって飲もうとしたら、その冷たさが歯にしみる…という内容の俳句です。
これを読むと、どうも歯周病の疑いあり、と言えそうです。
さらに、48歳の頃にはこんな俳句も作っているのだそうです。
「衰ひや 歯に喰いあてし 海苔の砂」
海苔(のり)を食べていたら、混じっていた砂を噛んでしまい、歯が痛くて衰えを感じる…という内容の作品。
芭蕉さん、歯のお手入れをサボっていたのかな…と思いますが、江戸時代の人の骨を調査してみると、ほとんどの人が歳をとるにつれて、ほぼ全ての歯がなくなってしまっているのだそうです。
その原因は、歯周病だと見られています。
ちなみに、同じく江戸時代を代表する俳人である小林一茶も
「歯が抜けて あなた頼むも あもなみだ」
と、歯が抜けてしまって「なむあみだぶつ」と唱えたら「あもなみだ」になってしまうという作品を作っています。
皆さんは、歳をとっても自分の歯が使えるように、今からちゃーんとお手入れを続けましょうね。