歯科衛生士ブログ
あなたは知ってますか? 口・歯にまつわる故事・熟語
切歯扼腕(せっしやくわん)
「切歯扼腕(せっしやくわん)」は、大昔にあった事件を基にしてできた言葉、いわゆる「故事成句」です。
そして、この言葉の基になったとされる事件は、なかなか衝撃的なものです。
秦の始皇帝暗殺を命じられた荊軻(けいか)という人物は、同じく秦の始皇帝を倒そうと考えている将軍・樊於期(はんおき)に計画を相談します。
すると樊於期は、自分の腕を強く握りしめ、「それこそ、私が日夜歯ぎしりして、待ち続けたことだ」と言うと、自ら自分の首を切り落としたのだそうです。
荊軻は、クーデターを起こそうとしていた樊於期の首を持ってきた、という触れ込みで秦の始皇帝に近付こうとしましたが、暗殺自体は失敗に終わったのだそうです。
自分の腕を強く握りしめることを「扼腕(やくわん)」、激しく歯ぎしりすることを「切歯」と言います。
樊於期が怒り・くやしさ・無念さなどの気持ちから、歯ぎしりをし腕を強く握り締めたことを受けて「切歯扼腕(せっしやくわん)」は非常にくやしがっているさまを表現する言葉になりました。