歯を削って被せる治療
フクロ歯科医院で取り扱う被せ物(クラウン&ブリッジ)の種類をご紹介いたします。
健康保健適用のもの
12%金パラジウム合金クラウン
金12%、銀50%、Pd(パラジウム)20%、銅17%で出来ているクラウンです。健康保険で使える金属は、ここまでです。適合はそこそこで堅いので最後臼歯(奥歯の7番目や8番目)には向きません。銀色を呈します。本来この金属は、30年ほど前、国際スタンダードであった20%の金が入っていた合金を、恩師で東京歯科大学の歯科理工学教授・学長であった金竹先生が、国策として、金の価格高騰に対処するため、急場しのぎに開発されたものです。国際スタンダードと離れているため、当然ながらアレルギーなどの問題もあります。
硬質レジン前装冠・・・オーダーメイド
健康保健で白くできるのは前歯に用いる硬質レジン前装冠だけです。材質は金属としては、クラウンと同じ12%金パラジウム合金で、硬質レジン(プラスチッ ク)で白い歯の部分をつくります。プラスチックですから、年数が経つと水分の吸収によりくすんだ色になることが多いとされています。細かい色に対するオー ダーメイドでの注文はできない(約5種類ぐらいの色から選んでいます)ため、周囲の歯と若干色が違って出来上がりやすい性質があります。健康保険では、犬歯までの前歯に用いることができ、奥歯には使用できません。
健康保健の適用外のもの
保険のきかない歯の利点(メリット)は次のようなことがあります。
- 必ずその日のうちに「仮歯」をお入れします。
- 色や形態を「オーダーメイド」でお作りします。
- 完全に着けるまでは何度でも「やり直し」ができます。
- 「長期5年間の保証」 (制作物が原因の破損の場合は無償でお直しします。また破損を繰り返す場合はお作りしなおします。ただし咬合が原因の破折の場合はマウスピースの使用や最後臼歯の金属使用が必須になる場合があります。)
金合金・白金加金によるインレー・クラウン&ブリッジ
金色(金合金)または銀色(白金加金)で審美性はありませんが、柔らかく素晴らしい適合性を示します。インレーには、20〜22金という高カラットの合金 が展延性を示すためにオススメですし、クラウン・ブリッジではPGAなどの白金加金が適度の硬さがあるため推奨されます。これらは、咬合に問題のある場合 でも使えるため、適応が広い特徴があります(柔らかいので、対合する歯によって少しだけ削れてくるが壊れにくい)。もちろん前歯には単独で用いることはあ りませんので主に奥歯での適応になります。
メタルボンド
審美的に優れており、適合が良いです。舌側にメタルがやや露出することと、内部の金属色を隠す(マスキング)ため透明感がやや少ない特徴があります。 フクロ歯科医院のメタルボンドに用いている金属は、プレシャスメタルやAGCシステムによる純金を主として使用しています。これは、生体親和性が高くメタ ルアレルギーや変色の可能性が少ないためです。セミプレシャスは、金50%以下の合金で、銀色で変色はほとんどしませんが、アレルギーの可能性が若干残りま す。強度的には強いのでブリッジの場合に用いています。ノンプレシャスメタルは、アレルギーを起こしやすいことなどから、メタルボンド以外も含めて一切当 院では使用していません。カラーレス(collerless)という歯茎のそばに金属裏層がないメタルボンド冠にすると、将来歯茎が黒くなる可能性を低く することができます。また、裏側まで白くしたい場合にはフルベイク(Fullbake)があります。「全部焼く」と言う意味です。土台の太さでできない場 合もあります。上の前歯の場合、裏側の金属の方が下の歯とあたる部分なので、構造的には金属の方が安全です。また咬み合わせにより、フルベイクにはできな いケースもあります(このような場合には現在はジルコニアを用いたオールセラミックをお勧めしています)。
オールセラミック修復
エンプレス・エンプレス2・eMAX(オールセラミック)
歯科用オールセラミックス修復材「エンプレス」は、チューリッヒ大学とイポクラール社が共同開発し、1987年の実用化以来、大きな反響を得ています。 オールセラミックス製品としては比較的歴史があるので臨床例が多く、改良もされてきたので安心して使えるキャスタブルセラミックスです。透明感があり審美 性も高く、前歯3歯ブリッジも可能です。セメンティングには接着性レジンセメントを推奨しています。更にこのエンプレスの高い信頼性は、患者様に装着され た何百万の補綴物が証明しています。
但し、大臼歯が絡むブリッジや延長ダミーはつくることができません。
透明感があり、マージンのブラックラインも出ない為、金属アレルギーのご心配もありません。現在エンプレスからe-maxというシステムに徐々に変更がさ れてきています。これはニケイ酸リチウムガラスセラミックスといわれるもので、大臼歯に使える400MPaの強度を誇りながらも同時に適合の正確性、審美性を兼ね備えています。ブロックの色は、隣接歯の色調に合わせて天然歯のように審美的な表現が可能です。主にプレス加工ができるオールセラミックスシステムとCAD/CAMにて加工するオールセラミックスのシステムのすべてを合わせた総称が e-maxです(フクロ歯科医院は、セレックシステムを所有していますので、この全ての対応が可能です)。しかしこれだけではありません。フクロ歯科ではさらに先を見すえており、すでにセラミックの構造にプラスチック樹脂が含浸した画期的な構造を持つEnamicブロックやケイ酸リチウムガラスセラミックスを細かく再構築することで研磨性をさらに素晴らしい物にしたSuprinityなど続々と登場する新製品にも当院の技工士が対応し、さらに先の審美治療をおこなえるようにしています。
プロセラシステム・LAVAシステム
外注でコンピュータによるCAD/CAM技術を使った ジルコニアのフレーム作り、その上にポーセレンを盛ったオールセラミックシステムです。プロセラはインプラントとの相性を重視しており、LAVAは天然歯 のロングスパン(たくさんの歯を連結できる)などそれぞのシステムに特徴があります。